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Current Opinion
肺癌の治療―遺伝子治療と分子標的治療の現状と今後
Gene Therapy and Molecular Targeted Therapy for Lung Cancer:Current status and future directions
南 貴博
1
,
中西 洋一
1
Takahiro Minami
1
,
Yoichi Nakanishi
1
1九州大学大学院附属胸部疾患研究施設
1Research Institute for Diseases of the Chest, Graduate School of Medical Sciences, Kyushu University
pp.301-306
発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100178
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肺癌に対する遺伝子治療と分子標的治療の最近1年間の話題
2005年9月時点で米国では712もの腫瘍に対する遺伝子治療のプロトコールが実施されている1).肺癌に対する遺伝子治療も基礎研究のレベルでは有望な結果も報告されているが,臨床面での進展は停滞気味である.ASCOでの演題数の推移をみても,遺伝子治療の演題数自体は変わらないものの,分子標的治療や抗体療法の急激な増加ぶりと比較すると寂しいものがある.特に本邦ではその傾向が著明である.ただし,岡山大学が中心となって行っているp53遺伝子の腫瘍内投与は一定の効果を認めており,今後の検討が期待される.
一方,この1年間における分子標的治療における大きなトピックは2つある.一つはEGFR-TKI(EGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤)の有効性とEGFRの変異に関する研究の進展であり,もう一つは血管新生阻害剤のbevacizumabの第3相試験の結果である.
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