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Current Opinion
結核の新しい診断法
The New Diagnostic Method of the Tuberculosis
佐々木 結花
1
Yuka Sasaki
1
1国立病院機構千葉東病院呼吸器科
1The Third Medical Division, National Hospital Organization Chiba-East National Hospital
pp.201-204
発行日 2009年2月15日
Published Date 2009/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101208
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結核の新しい診断法をめぐる最近1年間の全般的な話題
結核は結核菌感染によって生じる世界最大規模の感染症である.本邦においては1990年代後半に再度罹患率上昇を来し,再興感染症として注目を浴び,各種対策が行われた.同時に1990年代には結核迅速診断法として核酸増幅法が臨床応用され,結核および抗酸菌の迅速診断が可能となった.次いでBCG接種の影響を受ける,手技に個人差が生じるなどの多くの問題を有するツベルクリン反応に代わる診断法の開発が望まれるようになり,インターフェロンガンマ(IF-γ)放出アッセイが開発された.この検査法は,結核菌に特異的な蛋白を抗原とし,血液中のエフェクターTリンパ球を刺激することにより放出されるIFN-γを検出する方法である.
また,発病した結核症を迅速に診断するために用いられてきた核酸増幅法は,緻密な温度管理が必要とされるなど問題があったが,すべて等温で連続的に進行する増幅反応を用い,結核菌の検出がなされるLAMP法が開発され,今後の臨床応用が期待されている.
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