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Current Opinion
非がん性呼吸器疾患の緩和ケア
Palliative Care for Non-malignant Respiratory Disease
有田 健一
1
Kenichi Arita
1
1広島赤十字・原爆病院呼吸器科
1Department of Respiratory Disease, Hiroshima Red Cross Hospital and Atomic Bomb Survivors Hospital
pp.1163-1168
発行日 2008年11月15日
Published Date 2008/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101152
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非がん性呼吸器疾患の緩和ケアをめぐる最近1年間の話題
わが国独自の非がん性疾患に対する緩和ケアの確立を目指さなければならない.しかし,この領域の知見は,「がん」患者を対象とした実践や研究から集められたものが多く,非がん性疾患についての終末期の病態や,そこで行われてきた医療の実態に関する報告は限られている1).
在宅死した非がん患者のなかで,呼吸器疾患が占める割合は10%だったという2).この非がん性呼吸器疾患の緩和ケアに関するエビデンスを集めることがまず必要である.例えば,呼吸困難に対する酸素療法,オピオイドを用いた薬物療法,呼吸リハビリテーションなどいくつかのエビデンスがある事項3)の一方では,うつと不安,だるさ,がん以外の痛みなどエビデンスの乏しいものも多い4).症候的な課題にとどまらず全人的な視野で検討していく努力は,わが国の非がん性呼吸器疾患に対する緩和ケアの指針を作成することにつながるだろう.
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