Japanese
English
Bedside Teaching
薬剤誘発性QT延長症候群
Drug-induced Long QT Syndrome
加藤 貴雄
1
Takao Katoh
1
1日本医科大学内科学(循環器・肝臓・老年・総合病態部門)
1Division of Cardiology, Hepatology, Geriatrics and Integrated Medicine, Nippon Medical School Hospital
pp.413-418
発行日 2008年4月15日
Published Date 2008/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404101019
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
QT延長症候群は心電図QT間隔の延長を主徴とする病態の総称で,家族歴や遺伝子異常を基盤とする「先天性QT延長症候群」と,外因によって発症する「後天性(二次性)QT延長症候群」がある.
Romano-Ward症候群やJervell and Lange-Nielsen症候群として古くから知られていた先天性QT延長症候群は,最近の遺伝子解析の進歩によっていくつかの遺伝子異常に基づくサブタイプが明らかにされている.一方,後天性QT延長症候群は薬剤を含む様々な外因によって誘発されるが,なかには遺伝子異常が証明される例もあり,先天性の不全型や潜在例も含まれている可能性が指摘されている.
QT延長症候群における実際のQT間隔は常に延長しているとは限らず,著明な日差変動や日内変動があることが多い.また,しばしばT波の形態異常や交互脈を伴い,正確な診断には心電図の注意深い観察が必要である.
本稿では,後天的な原因によって起こる二次性QT延長症候群のうち特に薬剤誘発性QT延長症候群について,その特徴と実際のQT間隔計測における注意点を解説する.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.