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あとがき
永井 良三
pp.228
発行日 2008年2月15日
Published Date 2008/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100990
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医師不足をめぐって,研修制度の功罪がしきりに論じられている.確かに新医師臨床研修制度が,医師不足を招くきっかけになったことは事実である.しかしながら,この制度の導入以前に,医師が充足していたわけではない.わが国では,多くの病院の勤務医の供給は,大学の医局が担ってきた.医局の関連病院として医局会議で認められれば,その病院は半永久的に医師の供給を受けることができた.また,病院側としては,戦力とならない医師は,他の病院へのローテーションを促すことにより,人事を回転させることができた.
一方で,医局の関連病院以外の病院では,慢性的な医師不足であった.また,医局中心の人事は医師の考え方に弾力性が失われがちであった.このため,他大学出身,あるいは同一大学であっても他の医局の医師との協調性に問題のあることがしばしば指摘されてきた.
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