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あとがき
永井 良三
pp.128
発行日 2007年1月15日
Published Date 2007/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100801
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大気中の二酸化炭素濃度の上昇が地球の温暖化を引き起こしている.フロンガスやメタンガスは二酸化炭素よりもさらに強力な温室効果を持つという.温暖化は海水面の上昇だけでなく,海岸の侵食,内陸の砂漠化,台風の巨大化など多くの影響が懸念される.快適な現代生活の代償としての環境破壊は,ついに人類の生存自体をも脅かしはじめたようだ.部分最適化は必ずしも全体最適化に一致しないという一例であろう.
医療においても資源の配分や活用を真剣に考えなければならない時代となった.とくに循環器診療はカテーテルやステント,ペースメーカーなど高額の医療器材の使用が多い.このため薬剤費や医療機器などの経費の診療報酬に占める割合,すなわち医療経費率が血液疾患や外科疾患を含めて他のいかなる分野よりも高い.その原因が循環器医による過剰な医療器材の消費によるためか,それとも医療器材の内外価格差によるものなのか,あるいは技術料が低いためなのか,今後詳細な調査研究が必要である.
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