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特集 呼吸困難からみた呼吸器・循環器疾患
呼吸困難を呈する疾患の疫学と鑑別
Prevalence and Discriminating Causes of Dyspnea
陳 和夫
1
Kazuo Chin
1
1京都大学大学院医学研究科呼吸器内科学
1Department of Respiratory Medicine, Graduate School of Medicine, Kyoto University
pp.17-23
発行日 2008年1月15日
Published Date 2008/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100954
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はじめに
呼吸困難(息切れ)は日常診療で頻繁に遭遇する症状である1,2).一般社会でおよそ3~25%の人が息切れ(shortness of breath)を訴えるという報告がある3).海外の報告では呼吸困難(dyspnea)は外来患者の3.7%4),救急患者の2.7%5),全入院患者の15~25%でみられる6,7).米国胸部疾患学会(The American Thoracic Society)は呼吸困難を「生理学的,心理的,社会および環境の相互関連から起こる呼吸に伴う不快感(breathing discomfort)の自覚」と定義している8).したがって,呼吸困難は様々な心理的,生理学的要因によって変化する徴候を持った多くの領域が関連する臨床症状とも言える.
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