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Current Opinion
ARDS/ALIに対するステロイド療法
Steroid Therapy in ARDS/ALI
林 伸一
1
Shinichi Hayashi
1
1日本大学医学部内科学系呼吸器内科学分野
1Nihon University School of Medicine, Department of Medicine, Division of Respiratory Medicine
pp.1037-1041
発行日 2007年9月15日
Published Date 2007/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100890
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ARDS/ALIに対するステロイド療法をめぐる最近1年間の話題
ARDS/ALI(急性肺損傷)はいまだに予後不良であり,PEEPや低1回換気量などの呼吸管理の進歩と並行して,従来から様々な薬物治療が試みられてきた.ステロイド治療は古典的な治療法であり,その有効性を示すエビデンスが乏しいにもかかわらず,実際の臨床現場では広く使われている.その理由は,なによりも他に決定打となるような治療法の選択肢が乏しいからであり,有効性が疑問視されていても使わざるを得ないというのが臨床的実情である.
ARDSは救急や外科などでも日常的に遭遇する疾患であり,むしろ呼吸器専門医以外のほうが躊躇なく大量のステロイドを使用している印象を受ける.その一方で,最近では少量ステロイドの反復投与などの投与方法の工夫により,予後改善を含めた一定の効果が認められるようになってきた.ステロイド治療において重要なことは投与の量とタイミングである.
本稿では,ステロイドの薬理作用の最近の知見とARDSに対するステロイド少量反復投与を中心とした近年の報告を紹介する.
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