Japanese
English
特集 ALI/ARDSの病態と治療
ALI/ARDSにおけるNPPV
Noninvasive Positive Pressure Ventilation in ALI/ARDS
近藤 康博
1
,
長谷川 隆一
2
,
谷口 博之
1
Yasuhiro Kondo
1
,
Ryuichi Hasegawa
2
,
Hiroyuki Taniguchi
1
1公立陶生病院呼吸器・アレルギー内科
2公立陶生病院救急部・集中治療部
1Department of Respiratory Medicine and Allergy, Tosei General Hospital
2Department of Emergency and Intensive Care Medicine, Tosei General Hospital
pp.635-640
発行日 2007年6月15日
Published Date 2007/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100815
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はじめに
非侵襲的陽圧人工呼吸(noninvasive positive pressure ventilation;以下NPPV)とは,侵襲的な挿管による人工気道を用いず,鼻あるいは顔マスクを用いる人工呼吸である.急性呼吸不全におけるNPPVは,挿管を回避し挿管に伴う合併症を減らすことにより,従来の挿管人工呼吸管理よりも入院期間を短縮し,生存率を改善することが報告されているが1),その効果は呼吸不全の原因,重症度により異なり,不適切に行われるとむしろ合併症のリスクを高めるとの警鐘も示されている2).
本稿のテーマである「急性肺損傷(acute lung injury;以下ALI)/急性呼吸窮迫症候群(acute respiratory distress syndrome;以下ARDS)におけるNPPV」については,その有効性・適応については議論のある領域で,一定の見解が得られていないのが現状であるが3~5),以下に低酸素性呼吸不全に対象を広げた文献的検討と最近発表された日本呼吸器学会のNPPVガイドラインでの見解に自験成績を踏まえて論じたい6).
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