Japanese
English
Current Opinion
先天性心疾患(患者)と妊娠・分娩
Pregnancy and Delivery in Congenital Heart Disease
百々 秀心
1
Hidemi Dodo
1
1国立成育医療センター循環器科
1Department of Cardiology, National Center for Child Health and Development
pp.1253-1258
発行日 2003年12月1日
Published Date 2003/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100766
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先天性心疾患をめぐる最近1年間の全般的な話題
先天性心疾患は診断技術の進歩や内科的および外科的治療の改善により,その生命予後が飛躍的に伸びている.反面,医療機関での18歳以上の成人期に達した患者に対する管理,治療は系統的な診療体系が確立しているとはいえない.しかし,欧米では成人における専門外来が設けられている病院,センターがあり,その重要性はかなり前から認識されていた.日本でも成人に達した先天性心疾患に対する認識は最近不十分ながら小児科,内科および外科系の学会でできはじめ,シンポジウムなどでも取り上げられるようになってきた.成人の先天性心疾患は,小児期の疾患が示す様々な問題とは全く違った様相を呈することも少なくない.それは,病気そのものの変化によることもあるし,成長によることもある.小児期にはあまり問題にされていなかった社会的な問題や,妊娠および出産の問題も成人に達して新たに生じてくる.2001年北米では妊娠中での産科的理由を除いた死亡原因では,循環器科的な原因によるものが1位になっており,そのなかでも先天性心疾患に関係しているものが半分以上を占めている1,2).
本稿では,先天性心疾患患者の妊娠および出産に焦点を当てて概要とトピックスを述べる.
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