特集 完全把握をめざす小児の心疾患
成人先天性心疾患
成人先天性心疾患の妊娠・出産
兵藤 博信
1
HYODO Hironobu
1
1東京都立墨東病院産婦人科/遺伝子診療科
pp.709-714
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001644
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はじめに
医療の進歩により先天性心疾患は予後がよくなり,その結果成人にいたる患者がどんどん増えてきて,「成人先天性心疾患」という循環器の一つの分野を形成するまでになってきている。予後がよくなることと並行して生活の質も上がり,そうすると当然ながら女性の成人先天性心疾患患者には「妊娠・出産」という場面が訪れる。遠隔期にどのような問題が起こるか十分に理解されていないなかで,「何かあったら心配だから」という言葉のもと妊娠を避けるように,あるいは妊娠しても継続を断念するように仕向けられたこともあったかもしれない。また一方で,「根治した」と説明されていながら,妊娠期の心血管への負荷の増大からイベントを生じたりすることもある。
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