Japanese
English
Current Opinion
急性肺傷害と活性酸素
Reactive Oxygen Species and Acute Lung Injury
清水 三恵
1
,
長谷川 直樹
1
,
石坂 彰敏
2
Mie Shimizu
1
,
Naoki Hasegawa
1
,
Akitoshi Ishizaka
2
1慶應義塾大学医学部内科
2東京電力病院臨床検査科
1Department of Internal Medicine,School of Medicine, Keio University
2Internal Medicine and Central Laboratory, Tokyo Electric Powar Company Hospital
pp.715-720
発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100690
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ARDS/ALIと活性酸素種をめぐる最近1年間の話題
Acute respiratory distress syndrome(ARDS)/acute lung injury(ALI)は敗血症,肺炎,外傷,手術,熱傷など様々な要因により引き起こされる急性呼吸不全である.その病態には様々な因子が関与し,原因疾患により特有の因子もありうると考えられている.なかでも活性酸素種は,あらゆる原因によって招来されたARDS/ALIにおいて重要な役割を果たしていると考えられる1).
1・活性酸素種(ROS:reactive oxygen spe-ciesと活性窒素種(RNS:reactive nytoro-gen species)総論
1. ROSとRNSの生成系
生体内では酸素からフリーラジカルが常時生成されている.フリーラジカルとは不対電子を1つまたはそれ以上有する分子,原子を示す.水素は陽子と電子を1つずつ持つ最も単純なフリーラジカルである.電子は軌道上に対で存在するときがより安定状態であるため,ラジカルは非ラジカルに比較して不安定な状態であり,化学反応性は高い(表1).
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