今月の主題 酸化ストレスマーカーと疾患・病態
酸化ストレスと注目される病態
アミロイドーシスと活性酸素傷害
安東 由喜雄
1
Yukio ANDO
1
1熊本大学大学院医学薬学研究部病態情報解析学
キーワード:
アミロイドーシス
,
家族性アミロイドポリニューロパチー
,
透析アミロイドーシス
,
酸化ストレス
,
extracellular SOD (EC-SOD)
Keyword:
アミロイドーシス
,
家族性アミロイドポリニューロパチー
,
透析アミロイドーシス
,
酸化ストレス
,
extracellular SOD (EC-SOD)
pp.163-168
発行日 2005年2月15日
Published Date 2005/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100111
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〔SUMMARY〕 近年,アルツハイマー病を始めとするアミロイドーシスにおいても,アミロイド形成過程に活性酸素傷害が深く関与していることが明らかにされてきており,活性酸素傷害を制御することにより,アミロイド線維の形成を抑制できる可能性が示唆されている.生体内で発生する活性酸素分子種に対し,防御系酵素は主に細胞内に局在し,細胞外における濃度は極めて低濃度である.したがって,細胞外空間は,最も活性酸素傷害を受けやすい.アミロイドが形成される部位も一様に細胞外空間であるため,活性酸素傷害とアミロイド線維形成との間には密接な関係がある.アミロイドーシスのなかでとりわけ患者数の多い透析アミロイドーシス,遺伝性アミロイドーシスのなかで最も研究が進んでいる家族性アミロイドポリニューロパチーも,NOを含む活性酸素分子種による傷害がアミロイドの形成に重要な役割を果たしている.〔臨床検査 49:163-168,2005〕
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