Japanese
English
綜説
心筋拡張能の臨床的評価
Clinical Assessment of the Left Ventricular Diastolic Function
原田 和昌
1
,
高橋 利之
2
,
永井 良三
2
Kazumasa Harada
1
,
Toshiyuki Takahashi
2
,
Ryozo Nagai
2
1東京都老人医療センター循環器科
2東京大学大学院医学系研究科循環器内科
1Division of Cardiology, Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital
2Department of Cardiovascular Medicine, Graduate School of Medicine, University of Tokyo
pp.159-168
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100626
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
心筋収縮能の重要性は心不全患者においてEF(収縮能)の低下と予後が相関することによって裏付けられるが1),一方,EF正常の心不全患者が全心不全患者の24~51%も存在し2),その予後がEFの低下した患者と同様に悪いことが最近になって示された3).これは拡張能障害の重要性を示す事実と考えられている.もちろん,EF正常の心不全患者すなわち拡張能障害ではないことには注意が必要である.また従来より,心筋において時として収縮能と拡張能,弛緩能が別々に変化することが知られており4),心筋の拡張能を臨床的に評価することは今日最も重要な臨床的課題のひとつであると考えられる.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.