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Current Opinion
肺癌の遺伝子異常―肺非小細胞癌におけるEGFR遺伝子突然変異の発見:EGFR阻害剤の効果予測因子として
Molecular Genetics of Lung Cancer
木下 一郎
1
,
秋田 弘俊
1
Ichiro Kinoshita
1
,
Hirotoshi Akita
1
1北海道大学大学院医学研究科腫瘍内科学分野
1Department of Medical Oncology, Hokkaido University Graduate School of Medicine
pp.1059-1064
発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100555
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肺癌の遺伝子異常をめぐる最近1年間の話題
近年の癌の分子生物学の進歩にはめざましいものがあり,肺癌を含む悪性腫瘍は遺伝子異常の経時的・多段階的な蓄積によって生じる疾患であることが明らかにされた1~3).肺癌の癌遺伝子異常としてはK-ras,c-myc,EGF(epidermal growth factor)受容体(EGFR),HER2/neu,Bcl-2などが,癌抑制遺伝子異常としてはRB,p16,p53,最近ではFHIT4),RASSF1A5),TSLC-16)などが報告されている.
EGFRはこれまで肺非小細胞癌の40~80%において過剰発現が報告されていたが,ごく最近EGFRの突然変異が報告され,しかもゲフィチニブの奏効と強い相関が示された7,8).肺癌の遺伝子異常としては近年で最も重要な知見と思われ,トピックスとして後述する.
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