Laboratory Practice 〈遺伝子〉
肺癌EGFR-TKI治療とコバス®EGFR変異検査
林 海美子
1
,
三浦 俊昭
1
,
小川 徹
1
,
林 邦彦
1
1ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社IVD事業本部LCM部門遺伝子検査部
pp.504-508
発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543104276
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はじめに
進行非小細胞肺癌(non-small cell lung cancer,NSCLC)の治療戦略には,組織亜型に加え,癌細胞から得られる遺伝子情報が重要な役割を担っている.わが国では2006年に悪性腫瘍遺伝子検査が保険適用とされ,さらに,米国食品医薬品局(Food and Drug Administration,FDA)が,新規に開発される医薬品は,薬効や副作用を投薬前に予測するためのコンパニオン診断法も同時に開発し承認を受けることを推奨している.わが国の医薬品医療機器総合機構(Pharmaceutical and Medical Devices Agency,PMDA)もそれに同調する考えを明らかにし,治療薬と診断薬の結びつきがいっそう強まってきている.
本稿では,コバス®EGFR変異検出キット(Roche Molecular Systems社:以下,コバス® EGFR)を中心に,NSCLCの最も重要なバイオマーカーの1つである上皮成長因子受容体(epidermal growth factor receptor,EGFR)検査と肺癌の分子標的治療薬について述べる.
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