Japanese
English
Current Opinion
心臓リハビリテーション
Cardiac Rehabilitation
田村 政近
1
,
長田 尚彦
1
,
三宅 良彦
1
Masachika Tamura
1
,
Naohiko Osada
1
,
Fumihiko Miyake
1
1聖マリアンナ医科大学循環器内科
1Division of Cardiology, Department of Internal Medicine, St. Marianna University School of Medicine
pp.769-775
発行日 2006年7月1日
Published Date 2006/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100428
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心臓リハビリテーションをめぐる最近1年間の全般的話題
急速に進む高齢化社会や生活習慣病の増加に伴う医療費の増加に伴い,予防医学が注目され,心臓リハビリテーションもその点から注目されてきている.2004年4月の保険診療改訂において心疾患リハビリテーション料算定のための施設基準が緩和されたが,改訂の要点としては,改訂前の「特定集中治療室,救命救急入院料を策定している医療機関」から「循環器科または心臓血管外科を標榜しており,緊急事態の発生を回避するための専任の医師がいること」となったことである.この緩和により心臓リハビリテーションの普及が期待されたが,2005年1月末における心疾患リハビリテーション届出施設数は全国で186施設,そのうち2004年4月以降に届け出のあった施設は51施設(27%)と増加は認めるが十分な数ではなく,届出施設がない県もあった1).心臓リハビリテーションの効果については,運動耐容能,生活の質(QOL)の改善,心血管死亡や総死亡率の低下などエビデンスとしては十分に確立されているが,本邦でのエビデンスが乏しいこと,治療進歩やクリティカルパス導入に伴う臥床期間の短縮による脱調節の軽症化や入院期間短縮などにより心臓リハビリテーションが普及していないと考えられる.
本稿では,心臓リハビリテーション全般に関する最近の話題を紹介し,トピックスとして,更なる増加が予想される慢性心不全(CHF)に対する運動療法のこれまでのエビデンスと最近の動向について概説する.
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