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Current Opinion
心臓リハビリテーション―心不全の病態と運動療法を中心に
Cardiac Rehabilitation
山田 純生
1
Sumio Yamada
1
1名古屋大学医学部保健学科理学療法学専攻
1School of Health Sciences, Nagoya University
pp.1175-1179
発行日 2004年11月1日
Published Date 2004/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100381
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心臓リハビリテーションをめぐる最近の全般的な話題
本稿では,最初に心臓リハビリテーション(以下,心リハ)全般に関する最近の話題を紹介し,次にトピックスとして心不全の病態と運動療法に関する最近の報告を概括する.
狭心症患者の治療方針の決定に関してインパクトが大きいと思われる,PCI+Stent群と運動療法介入群のそれぞれ単独の介入効果に関する比較研究がドイツから出された1).この報告は対象を左前下行枝以外の有意1枝病変という症例に限定し,12カ月のフォローアップ期間においてPCI+Stent群に比べ運動療法のみでフォローした群で心イベント率が低く,運動耐容能の増加は大きく,費用も廉価で済んだというものである.本結果は運動が冠血流を改善することを示唆すると同時に,PCI+Stent治療は確かに短期間で効果が得られる治療ではあるが,長期にわたる動脈硬化の進展予防には運動を積極的に取り入れる行動変容が重要となることを改めて示している.他にも3カ月間の第Ⅱ相の運動療法により,体重減少,スタチン投与とは関係なく高感度CRP値が下がることが報告されており2),運動療法には減量やスタチンなどとは独立した二次予防効果があることが示唆されている.
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