Japanese
English
特集 間質性肺炎の病態と治療
IIPsの病理と臨床分類
Pathological and Clinical Classification of Idiopathic Interstitial Pneumonias
小橋 陽一郎
1
Yoichiro Kobashi
1
1天理よろづ相談所病院医学研究所病理
1Department of Pathology, Tenri Hospital
pp.1039-1046
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100464
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はじめに
近年,特発性間質性肺炎(idiopathic interstitial pneumonias;IIPs)の分類については,2002年にAmerican Thracic Society(ATS)およびEuropean Respiratory Society(ERS)が合同で,国際多分野合意分類(臨床,画像および病理を総合した分類)を公表し1),それを受けた形で,2004年に日本呼吸器学会から,『特発性間質性肺炎-診断と治療の手引き』としてガイドラインが出されるなど2),大きな動きがみられている.間質性肺炎の分類は,当初Liebowにより病理組織学に準拠した分類3)がなされたため,病理組織学的分類がその基準として用いられてきている.また,Liebow以降提出された新しい疾患概念も,主に病理学的見地からまとめ直されたものが多く,現在でも病理が分類のゴールデンスタンダートとされていることが少なくない.
しかし,今回のATS/ERSの間質性肺炎の新しい国際多分野合意分類では,最終診断は臨床,画像および病理を総合してなされることが強調されており,日本呼吸器学会のガイドラインでも同様の見解が表明されている.本稿では,これら新しいIIPsの病理と臨床分類について簡単にまとめてみたい.
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