びまん性肺疾患 病態に基づいた最新治療
特発性間質性肺炎の分類と診断 特発性間質性肺炎の病型分類の変遷と現状とその問題点
千田 金吾
1
1浜松医科大学 第二内科
キーワード:
肺線維症
,
分類
,
肺炎-間質性
Keyword:
Classification
,
Pulmonary Fibrosis
,
Lung Diseases, Interstitial
pp.223-228
発行日 2007年2月1日
Published Date 2007/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007121169
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長い混迷の時代を経て、新しい特発性間質性肺炎の分類が提唱された。総括的にIIPとされ、七つの疾患がリストアップされている。しかし、いくつかの問題点が先送りになっている。すなわち、NSIPは肺病理医のあいだで解釈がまちまちであること、喫煙との関連が明らかなサブタイプ(DIPとRB-ILD)の扱いについて"特発性"のままでよいか、肺胞腔内病変が主体であるCOPを含めたままでよいか、LIPはリンパ増殖性前病変ではないか、などである。さらに、新たな病型として気道中心性の線維化病変の追加はどうか(bronchiolocentric interstitial pneumonia等いろいろな名称が記載されている。Table 3参照)、なども問題となってきている。IIPの診断フローチャート(Fig.2)の中で、HRCTにて蜂巣肺(honey combing)が指摘でき、典型的な臨床経過であれば、組織所見がなくともIPFと診断できるとされるが、蜂巣肺の認識にあまりに温度差が大きい現状では、実地臨床での運用に注意が必要である。
©Nankodo Co., Ltd., 2007