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Bedside Teaching
心房細動における抗血小板薬と抗凝固薬の使い方
Preventive Strategy for Thromboembolism Inpatients with Atrial Fibrillation
佐藤 洋
1
Hiroshi Sato
1
1大阪大学大学院医学系研究科病態情報内科学
1Department of Internal Medicine and Therapeutics, Osaka University Graduate School of Medicine
pp.407-411
発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100289
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はじめに
心房細動(atrial fibrillation;AF)は60歳以上の高齢者において2~4%と高率に認められる.AFの多くは基礎疾患を有し,従来は基礎疾患としてリウマチ性心疾患,なかでも僧帽弁疾患が重要な位置を占めていた.しかし,最近では冠動脈疾患,高血圧性心疾患,心筋症などの非弁膜症性心房細動(nonvalvular atrial fibrillation;NVAF)の占める割合が増加している.脳梗塞の発生頻度は年齢とともに増加をするが,NVAF例においても脳塞栓症の発症リスクは高い.今後,わが国が高齢者社会を迎えるにあたり,NVAF患者はますます増加するものと考えられ,AFに伴う脳塞栓に対する血栓塞栓症予防法の確立は心房細動治療のなかでも非常に重要な問題である.欧米では,これまでに多数の大規模臨床試験が行われ塞栓症予防ガイドラインが確立されている.本邦でも,心房細動患者に対するガイドラインが制定されているが1),その根拠となるエビデンスは必ずしも十分ではない.
本稿では,心房細動症例における塞栓症予防に関するエビデンスを総括し,塞栓症予防における抗血小板薬,抗凝固薬について解説する.
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