Japanese
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Bedside Teaching
慢性心不全患者の睡眠時無呼吸に対する夜間酸素療法
Nocturnal Oxygen Therapy for Central Sleep Apnea in Patients with Chronic Heart Failure
麻野井 英次
1
Hidetsugu Asanoi
1
1富山医科薬科大学第2内科
1Second Department of Internal Medicine, Faculty of Medicine Toyama Medical and Pharmaceutical University
pp.73-78
発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100240
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はじめに
慢性心不全患者の治療目標は自覚症状の改善によるquality of lifeの向上と心機能障害や不整脈の予防による長期予後の改善にある.心不全患者の最も重要な自覚症状である息切れと,予後に関連する交感神経活動の亢進は心不全の進展に伴う偶発的事象と見なすこともできる.しかし,最近心不全患者の息切れという呼吸様式の異常が自律神経系の異常と直接連携していることがわかってきた1).外界から取り込んだ酸素を末梢組織に供給するために,血管運動中枢が呼吸中枢と同期して循環系を制御するよう進化してきた.心拍数が呼吸数の約4倍であることや,呼吸性洞性不整脈の存在は呼吸・循環系の密接な連携を示している.一方,慢性心不全においては呼吸・循環系の連携が種々の悪循環を形成しており,その一つが最近注目されている睡眠時無呼吸である.
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