Japanese
English
Bedside Teaching
ABPAの治療
Management of ABPA
藤木 玲
1
,
相澤 久道
1
Rei Fujiki
1
,
Hisamichi Aizawa
1
1久留米大学医学部第一内科
1First Department of Internal Medicine, Kurume University School of Medicine
pp.67-72
発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100239
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はじめに
アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)は気道内に吸入されたアスペルギルスに対するアレルギーを基礎に,難治性の喘息や末梢血好酸球増多,肺浸潤影,粘液栓の形成,中心性気管支拡張などを来す疾患であり,喘息患者の約1~2%1),また欧米では胞線維症患者の約10%2)にみられるとされる.1952年にHinsonら3)により初めて報告されて以来,多くの研究や症例報告がなされ,今日では一般の医師にもよく知られた疾患となった.
ABPAの原因真菌としてはAspergillus fumigatusがほとんどとされるが,他のアスペルギルス属によるものも報告されている.本邦では味噌,醬油製造のための麹かびとしてA. oryzaeが使用されており,本菌によるABPAが比較的多い4).また,アスペルギルス属以外の真菌でも同様の疾患の発症が報告されており,これらをまとめてアレルギー性気管支肺真菌症(Allergic bronchopulmonary mycosis,ABPM)と呼んでいる.
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