徹底分析シリーズ 研修医の素朴な疑問に答えます 病態生理を中心に
睡眠時無呼吸と心不全との関係とは
長谷 洋和
1
,
髙田 真二
1,2
Hirokazu NAGATANI
1
,
Shinji TAKADA
1,2
1帝京大学医学部 麻酔科学講座
2帝京大学医学部 医学教育センター
pp.838-840
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101102216
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心不全患者は高率に睡眠時無呼吸を合併する。慢性心不全患者の11~37%が閉塞性睡眠時無呼吸obstructive sleep apnea(OSA)を合併し,29~40%がCheyne-Stokes呼吸を伴う中枢性睡眠時無呼吸central sleep apnea(CSA)を合併する1)と報告されている(コメント)。OSAが心不全を発症,悪化させ,心不全の増悪がCSAを引き起こすと考えられている。未治療のOSAやCSAが合併すると,心不全患者の予後が悪化する2)ことも報告されている。 このようなことを背景に,日本でも「循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン」3)が作成された。睡眠時無呼吸は困難気道difficult airwayの危険因子であるとともに,心不全をはじめとする種々の心疾患の危険因子でもあり,麻酔科医にとっても重要な病態である(臨床メモ)。
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