Japanese
English
Bedside Teaching
入院期心疾患患者の歩行自立度判定における片脚立位時間検査の有用性
Usefulness of One-leg Standing Test as a Disability Measure in Elderly Patients with Ischemic Heart Disease
石井 玲
1
,
松永 篤彦
2
,
神谷 健太郎
3
,
小池 朋孝
3
,
横山 美佐子
3
,
佐藤 春彦
2
,
増田 卓
2
,
和泉 徹
4
Akira Ishii
1
,
Atsuhiko Matsunaga
2
,
Kentaro Kamiya
3
,
Tomotaka Koike
3
,
Misako Yokoyama
3
,
Haruhiko Sato
2
,
Takashi Masuda
2
,
Tohru Izumi
4
1北里大学大学院医療系研究科
2北里大学大学院医療衛生学部
3北里大学大学病院心臓リハビリテーション室
4北里大学大学院医学部循環器内科学
1Graduate School of Medical Sciences, Kitasato University
2School of Allied Health Sciences, Kitasato University
3Cardiac Rehadilitation room, Kitasato University Hospital
4Department of Internal Medicine & Cardiology, School of Medicine, Kitasato University
pp.295-300
発行日 2006年3月1日
Published Date 2006/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100177
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はじめに
近年,救急医療システムの充実と初期治療の著しい進歩によって,心疾患患者に対する運動療法の早期導入が可能となり,入院期間の短縮化が進められている.しかし一方では,虚血性心疾患患者の入院受療率は70歳を超えると急速に増加するため1),高齢心疾患の特性を考慮した運動療法プログラムを展開する必要性が高まっている.虚血性心疾患はそれ自体が日常生活活動(ADL)の低下を引き起こす疾患であるが2),特に高齢心疾患患者では複数の合併症を有する場合や重度な左室機能障害を呈する場合が多く3,4),ADL障害の発生頻度やその障害の重症度が高まることが予想される.また,高齢者では運動機能の低下に伴って日常の身体活動量が低下している場合が多く,入院前からすでにADL障害を有している可能性がある.このことから,高齢心疾患患者に対して心臓リハビリテーションを効果的に導入するためには,ADL障害の程度とその原因を入院早期から把握する必要がある.
そこで本稿では,高齢虚血性心疾患患者の入院期における歩行障害の現状を把握したうえで,入院早期の歩行障害を鑑別する方法としての片脚立位時間検査の有用性について述べる.
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