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特集 肺癌に対する薬物治療の最前線
ドライバー遺伝子変異陽性非小細胞肺癌に対する分子標的治療の現状と展望
Current status and prospects of molecular targeted therapy for driver-mutation positive non-small cell lung cancer
渡部 聡
1
Satoshi WATANABE
1
1新潟大学医歯学総合病院呼吸器・感染症内科
キーワード:
非小細胞肺癌
,
肺腺癌
,
ドライバー遺伝子
Keyword:
非小細胞肺癌
,
肺腺癌
,
ドライバー遺伝子
pp.511-514
発行日 2023年11月18日
Published Date 2023/11/18
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28707511
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ドライバー遺伝子の発見と分子標的治療薬の開発により,進行期肺癌,特に肺腺癌患者の予後は大きく改善した.上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異陽性肺癌に対するEGFR-チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)にはじまり,現在(2023年8月),わが国では8種類のドライバー遺伝子に対して20の分子標的治療薬が承認されている.診断時の遺伝子パネル検査により,治療標的となるドライバー遺伝子は日本人肺腺癌の6~7割に検出される.遺伝子配列解析技術の発展に伴い,今後も新たなドライバー遺伝子が同定されていくことが予想される.一方,ドライバー遺伝子変異陽性肺癌に対する免疫療法の効果は概して低く,ドライバー遺伝子変異陽性肺癌の治療における分子標的治療薬の役割は大きい.われわれ臨床医には,これら分子標的治療薬を最大限活かすことが求められている.
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