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Kokyu to Junkan Volume 54, Issue 3 （March 2006）

呼吸と循環 54巻3号（2006年3月発行）

Japanese English

特集肺疾患の炎症メカニズムとその制御

肺損傷のメカニズムとその制御 The Mechanism and Control of Acute Lung Injury 津島健司 ¹ , 久保惠嗣 ¹ Kenji Tsushima ¹ , Keishi Kubo ¹ ¹信州大学内科学第一講座 ¹First Department of Internal Medicine, Shinshu University School of Medicine pp.269-275

発行日 2006年3月1日 Published Date 2006/3/1

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100173

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診断基準

　1994年に採択されたALI/ARDSの診断基準を表1に示す¹⁾．本基準は単純明解であるため，その発症率や死亡率といった疫学調査が容易になったが，基礎疾患を考慮していないため，病態に応じた治療法の選択にそぐわないのではないかという批判もある．

病態

　急性肺損傷(acute lung injury：ALI)および急性呼吸促迫症候群(acute respiratory distress syndrome：ARDS)は，何らかの基礎疾患や原因の経過中に発症する治療抵抗性の呼吸不全である．ALI/ARDSの基本的な病態は，肺血管透過性亢進型肺水腫であり^1,2)，全身性炎症反応症候群(systemic inflammatory response syndrome：SIRS)に基づく多臓器不全の一部症である³⁾．