Japanese
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特集 薬剤性肺障害の臨床
急性の経過を呈する薬剤性肺障害
Drug-Induced Lung Injury Showing a Rapid Progression
久保 惠嗣
1
,
花岡 正幸
1
Keishi Kubo
1
,
Masayuki Hanaoka
1
1信州大学医学部内科学第一講座
1First Department of Internal Medicine, Shinshu University School of Medicine
pp.325-334
発行日 2013年4月15日
Published Date 2013/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404102191
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はじめに
一般的に,呼吸器疾患の臨床病型は臨床所見,画像所見と病理組織パターンとによって特徴づけられる.薬剤性肺障害に特異的な臨床病型はなく,基本的には薬剤以外の原因による既存の呼吸器疾患との類似性に基づいて分類される1).
表1に,薬剤性肺障害の臨床病型の主な病変部位,臨床病型(類似病態)および組織診断を示す.
これら薬剤性肺障害の臨床病型および組織パターンで,急性の経過を呈する可能性のある病型は,急性呼吸窮(促)迫症候群(acute respiratory distress syndrome;ARDS)/急性肺損傷(acute lung injury;ALI),急性間質性肺炎,特発性器質化肺炎,急性好酸球性肺炎,過敏性肺炎,肺水腫(pulmonary edema),毛細血管漏出症候群(capillary leak syndrome),肺胞出血,気管支喘息,胸膜炎(胸水貯留)である.
本稿ではこれらの急性の経過を呈しうる薬剤性肺障害(急性薬剤性肺障害)につき概説する.
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