Japanese
English
Current Opinion
急性肺損傷―最近の話題
Acute Lung Injury:Current opinion
津島 健司
1
Kenji Tsushima
1
1信州大学医学部内科学第一講座
1First Department of Internal Medicine, Shinsyu University School of Medicine
pp.971-975
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100101
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
急性肺損傷をめぐる最近1年間の話題
1 はじめに
1967年にAshbaughらは多発外傷,膵炎,ウイルス性肺炎などに引き続いて急性発症した呼吸不全12例に共通の病態と病理組織像があることを指摘し,呼吸促迫症候群(respiratory distress syndrome:RDS)という疾患概念を提唱した1).その後,1994年になり多施設臨床研究(randomized clinical trial:RCT)を簡便に行うために,その定義を簡略化し,これによりRCTが進行した2).
臨床研究の分野では,ARDSnetを中心にいくつかのRCTが行われ,その結果が公表された3~5).また,日本からは,エラスターゼ阻害薬の臨床結果が公表され,その有効性が示された6).
動物実験の分野では,様々な薬剤やARDSの病態解明などについての検討がなされている.ARDSnetに関する実験としてβ2アゴニストを利用し肺損傷を改善させうるというデータがみられた7).そのほかにも数多くのデータが出ており,今後の臨床応用への発展が期待される.
以下,臨床に即したデータに関していくつか述べてみたいと思う.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.