Japanese
English
綜説
喘息・COPDの気道病変
Airway Diseases in Patients with Asthma and Chronic Obstructive Pulmonary Disease
田中 裕士
1
Hiroshi Tanaka
1
1札幌医科大学医学部内科学第三講座
1Third Department of Internal Medicine, Sapporo Medical University School of Medicine
pp.161-167
発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100159
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気管支病変~肺胞病変の解析には,従来,病理組織像,伸展固定肺の実態顕微鏡,軟X線撮影像のトレースから3次元的に再構成して行っており,多くの時間と熟練を要するため,限られた施設でしか行われていなかった.最大64個の多列検出器を要するマルチスライスCT(MDCT)の第一線病院への導入により,短時間で軽度の呼吸困難を伴う症例でも短いスキャン時間で撮影が行われ,生体における詳細な観察ができるようになった.喘息,COPD症例の気道病変についてもHRCT画像を用いて評価する方法が臨床応用されてきている1~10).
われわれが現在使用しているMDCT(東芝Aquilion)でのスライス厚0.5mm,スライス間隔0.5mm,管電流200mA,管電圧120KVp,field of view 30cm,再構成関数FC83の条件下では,その分解能は約500μmであり,この長さ以下の陰影はHRCT上辺縁不鮮明の淡い肺野濃度の上昇(GGO)として描写される.例えば,末梢気道壁に炎症があり気管支壁が肥厚していても,その大きさが500μm以下の病変であればGGOとして捉えられる.また,実際肺の画像を撮影すると,この分解能のため,7次気管支までの中枢気管支壁の認識,計測が限界であり,いわゆる末梢気道についての直接計測による評価は未だ不可能であり,定性的なものとなっている.
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