Japanese
English
Current Opinion
睡眠時無呼吸症候群―メタボリック・シンドロームとしての位置づけ
Obstructive Sleep Apnea as a Linking Factor for Metabolic Syndrome:Current opinion
赤星 俊樹
1
,
永岡 賢一
1
,
川原 誠司
1
,
赤柴 恒人
1
Toshiki Akahoshi
1
,
Kenichi Nagaoka
1
,
Seiji Kawahara
1
,
Tsuneto Akashiba
1
1日本大学医学部内科学講座呼吸器内科学部門
1Department of Respiratory Medicine, Nihon University School of Medicine
pp.1181-1185
発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100131
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睡眠時無呼吸症候群をめぐる最近1年間の全般的話題
睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome:SAS),このなかで特に閉塞型睡眠時無呼吸低呼吸症候群(obstructive sleep apnea-hypopnea syndrome:OSAHS)は,これまでの咽頭気道閉塞を中心とした“局所的な疾患”というよりも,多くの研究結果の蓄積により動脈硬化の進展原因として,また代謝性疾患症候群(metabolicsyndrome:MS)との位置づけが重要視されている.
本邦を含めOSAHSの有病率は高く,米国でのウイスコンシン州職員を対象に行われた疫学研究によれば,成人(30~60歳)男性4%,女性2%に存在し1),重症の無治療例ではその生命予後は低下する2,3).OSAHSにおける生命予後の規定因子は,重症度のほかに虚血性心疾患あるいは脳血管疾患の合併が重要で,多くの死亡原因となる.虚血性心疾患の危険因子として,以前より肥満,高脂血症,高インスリン血症,耐糖能異常,高血圧や内臓脂肪の蓄積が示唆されてきた.これらの危険因子を併せ持つのがOSAHSの臨床上の特徴でもあり,MSとの明確な位置づけが今後の治療にも重要である.このように,OSAHSの基本病態である“局所的な疾患”から“全身的な疾患”としての関わりが認識されたが,まずOSAHSと炎症マーカーと動脈硬化関連物質に関してまとめたい.
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