Japanese
English
特集 低酸素と生体
高地順応と破綻
Adaptation to High Altitude and the Failure
花岡 正幸
1
,
小泉 知展
1
Masayuki Hanaoka
1
,
Tomonobu Koizumi
1
1信州大学医学部内科学第一講座
1First Department of Internal Medicine, Shinshu University School of Medicine
pp.1143-1150
発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100125
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はじめに
高地に曝露された際,生体はその低酸素環境に様々な生体反応をしながら順応する.その生体反応の代表として,肺循環系における低酸素性肺血管収縮反応(hypoxicpulmonaryvasoconstriction:HPV)と換気反応として低酸素性換気応答(hypoxic ventilatory response:HVR)がある.HPVは体血管にはなく,肺血管のみに認められる生理的反応である.高地曝露に対して,肺循環または換気の関与により順応する,または順応不全として病的発症することが推定される.比較的急性の低酸素曝露で病的破綻する疾患として高山病(acute mountain sickness:AMS)および高地肺水腫(high-altitude pulmonary edema:HAPE)が,慢性低酸素環境への順応不全として慢性高山病(chronic mountain sickness:AMS)が挙げられる.
本稿では,これらの疾患・病態などにつき概説し,適応・破綻の規定に関与する生理学的および遺伝学的な因子につき述べる.
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