今月の主題 異常環境
解説
高地
半田 健次郎
1
Kenjiro HANDA
1
1信州大学医学部第一内科学教室
キーワード:
高地環境
,
高地順応
,
急性高山病
,
高地肺水腫
,
低地移送
Keyword:
高地環境
,
高地順応
,
急性高山病
,
高地肺水腫
,
低地移送
pp.24-29
発行日 1990年1月15日
Published Date 1990/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900006
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高地は低気圧,低酸素分圧,低気温の環境である.生体が高地環境へ曝露された際の生理反応は,その環境の条件,曝露期間の長短によって著しく異なり,個体差も大きい.高地環境曝露に対しては,生体は呼吸・循環機能の亢進を中心とした順応反応により対応する.
急性高山病は,海抜2700m以上の高地へ比較的急速に到達した際に起こる症候群であって,頭痛,不眠,悪心,思考力低下などを訴える.高地肺水腫は最も重症型で,呼吸困難,咳,血痰,チアノーゼ,肺の水泡性ラ音を主症状とする.放置すれば急速に悪化する.迅速な低地移送と酸素吸入が不可欠である.
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