Japanese
English
Current Opinion
冠動脈疾患と耐糖能障害(IGT)
Pathological Significance of Impaired Glucose Tolerance in Patients with Coronary Artery Diseases
安田 聡
1
,
片岡 有
1
,
宮崎 俊一
1
Satoshi Yasuda
1
,
Yu Kataoka
1
,
Shunichi Miyazaki
1
1国立循環器病センター心臓内科CCU
1CCU, Division of Cardiology, Department of Medicine, National Cardiovascular Center
pp.977-980
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100102
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糖代謝異常と心血管疾患をめぐる最近1年間の話題
米国を代表する大規模疫学研究であるFramingham研究や1),わが国の久山町研究2)において,糖尿病患者では虚血性心疾患を合併する頻度が高いことが報告されている.さらに耐糖能障害(IGT:impaired glucose tolerance)も心血管疾患の危険因子であることが,舟形研究3)やDECODE研究4)からも明らかにされている.このDECODE研究4)では,75gブドウ糖負荷試験2時間血糖値が空腹時血糖に比較してより強力な心血管死亡の寄与因子であるという興味深い知見が示された.
STOP-NIDDM研究5)はIGT症例の食後高血糖をα-グルコシダーゼ阻害薬であるアカルボースにより積極的に是正した群(n=682)とプラセボ群(n=686)とを比較した大規模臨床試験である.アカルボース群では糖尿病への移行が相対的に25%低下した.さらに心血管疾患の発症に関しても,プラセボ群に対するアカルボース群の相対リスクは49%有意に低下し,絶対リスクも2.5%低下していた.その詳細をみると,相対リスクが最も低下していたのは心筋梗塞発症で91%であった.
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