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特集 糖尿病と心疾患
糖尿病患者における冠動脈疾患の病態と特徴
The Impact of Glucose Intolerance on the Development of Coronary Artery Diseases
安田 聡
1
,
宮崎 俊一
1
Satoshi Yasuda
1
,
Shunichi Miyazaki
1
1国立循環器病センター心臓内科CCU
pp.237-241
発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100031
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糖代謝異常と心血管疾患
糖尿病患者では虚血性心疾患を合併する頻度が高い.米国を代表する大規模疫学研究であるFramingham研究では1),糖尿病患者の心血管疾患の発生頻度は非糖尿病患者の2~4倍と高率であることが示されている.わが国の久山町の追跡データでも,虚血性心疾患発生率は糖尿病患者では5人(人口1,000人/年)であり,非糖尿病患者の1.6人に比べて約3倍の相対危険度であった2).
いわゆる代謝症候群(metabolic syndrome)のなかでも,糖尿病は心血管病合併のリスクがより高い病態として考えられている.米国の男性約35万人を対象としたMRFIT(Multiple Risk Factor Intervention)研究では,糖尿病男性において心血管疾患を発症するリスクは,糖尿病がなく高血圧・高脂血症・喫煙の3つのリスクを有する男性が心血管疾患を発症するリスクとほぼ同等であった3).
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