今月の臨床 産婦人科と糖尿病—基礎知識と実地臨床
婦人科疾患と糖尿病
1.耐糖能異常と婦人科疾患
永石 匡司
1
,
山本 樹生
1
1日本大学医学部産婦人科
pp.172-176
発行日 2002年2月10日
Published Date 2002/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409905059
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はじめに
日本糖尿病学会より1999年に新しい糖尿病の分類と診断基準が提唱された.糖尿病の分類に関しては成因と病期を分ける新しい考え方が導入されている.産婦人科領域においても妊娠糖尿病の診断基準の確立に向けて現在検討されている.
糖尿病とはインスリン作用の不足による慢性高血糖を主徴とし,代謝異常が持続すると,心血管系,腎,末梢神経,免疫系,消化器機能にまで影響を及ぼす.糖尿病の程度によって無症状から口渇,多飲,多尿,体重減少といった症状を呈するもの,さらにはケトアシドーシスや昏睡までに至るものもある.われわれ産婦人科医が患者を診察するとき,糖尿病が隠されている場合と糖尿病を合併している場合を考えなければならない.本稿では耐糖能異常と婦人科疾患に関係する内容について解説する.
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