今月の主題 糖尿病臨床の最先端
糖尿病合併症の診断・治療の新しい展開
IGTと冠動脈硬化
嶋田 昌子
1
,
山田 信博
2
1虎の門病院内分泌代謝科
2東京大学医学部第3内科
pp.310-312
発行日 1996年2月10日
Published Date 1996/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904960
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ポイント
●耐糖能異常,IGT(impaired glucose tolerance)は特にインスリン抵抗性を基盤とした耐糖能異常,高血圧,高VLDL-TG(triglyceride)血症,低HDL-C(choleserol)血症,高インスリン血症,肥満が合併した病態であるSyndorome Xという概念が虚血性心疾患に至りやすいという意味で重要である.
●高インスリン血症は脂質代謝異常を発症させるとともに,血管収縮性を亢進し,高血圧を発来させる.それがまた動脈硬化病変形成の原因となる.
●IGTは糖尿病予備群と考えられているが,冠動脈硬化症の危険群という意味からも注意が必要である.
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