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増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022
検査法・手技
食道
酢酸撒布(Barrett食道腺癌)
acetic acid spray for Barrett's esophageal adenocarcinoma
竹内 学
1
1長岡赤十字病院消化器内科
pp.499
発行日 2022年5月24日
Published Date 2022/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202713
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消化管内視鏡検査における酢酸撒布は,1998年にGuelrudら1)によってBarrett食道に対する内視鏡的焼灼後の残存円柱上皮粘膜の鑑別に有用であると報告された.1.5%酢酸撒布により円柱上皮の表面は蛋白変性のため白色化し,光の透過性が低下することにより表面構造が明瞭化する.胃癌においては有用性が示されてきたが,Barrett食道腺癌においても酢酸撒布による狙撃生検がHGD(high grade dysplasia)や癌の診断に高い感度・特異度を示したこと2)や,多施設ランダムコホート研究において,酢酸撒布はガイドライン遵守よりもより少ない生検個数での腫瘍診断が可能との報告もされている3).特に範囲診断が困難であるIIb病変や随伴IIb病変が多くみられるLSBE(long-segment Barrett's esophagus)由来表在型Barrett食道腺癌では酢酸撒布の有効性は高いと考える.
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