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増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022
検査法・手技
食道
Valsalva法
Valsalva maneuver
川田 研郎
1,2
1東京医科歯科大学医学科
2東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科消化管外科学
pp.500
発行日 2022年5月24日
Published Date 2022/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202714
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下咽頭輪状後部〜その対側の後壁〜食道入口部までは内視鏡的死角となっており,観察が難しい領域である.この領域の観察にはValsalva法が有用である.下咽頭喉頭観察時に,大きく息を吸った後,一気に息を吐きながら唇を結んで両頰を膨らませ続け,息を10秒程度こらえるという方法1)である.もともとは耳鼻咽喉科領域で行われていた方法で,被検者の喉仏あたりの皮膚をつまんで前方に牽引する方法や,被検者が指を咥えながらトランペットを吹くようにする方法,風船を膨らませて行う方法など,さまざまな工夫が行われている.
経鼻内視鏡は咽頭反射が起こりにくいため,時間をかけて咽喉頭領域を観察しやすく,鎮静が不要なため指示が入りやすいという利点がある.最新の経鼻内視鏡は通常径の内視鏡と同等の画質,NBI(narrow band imaging),BLI(blue laser imaging,Fig.1),LCI(linked color imaging,Fig.2)などの画像強調機能を備えており,咽喉頭観察においては最適の診断ツールとなっているValsalva法にて全貌が明らかとなった症例をFig.3に示す.
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