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増刊号 図説「胃と腸」画像診断用語集2022
検査法・手技
食道
EUS(endoscopic ultrasonography)
EUS(endoscopic ultrasonography)
松浦 倫子
1
1慶應義塾大学病院腫瘍センター
pp.498
発行日 2022年5月24日
Published Date 2022/5/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403202712
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超音波内視鏡(endoscopic ultrasonography ; EUS)は,上皮下の情報を可視できるモダリティである.食道領域においては,主に粘膜下腫瘍(submucosal tumor ; SMT)の質的診断・癌の深達度診断,リンパ節転移の診断に用いられる.EUSは主に細径プローブとEUS専用機(ラジアル,コンベックス,リニア)に大別できる.細径プローブは,内視鏡の鉗子孔を通して使用するため,病変を直視しながら検査できることが最大のメリットである.細径プローブでは周波数は12〜20MHzに限定され,超音波が減衰するため,主に20mm以下の小さなSMTの質的診断,癌の深達度診断に用いられる.EUS専用機は5〜20MHzと幅広い周波数を選択できるため,20mmを超える大きなSMTの質的診断,頸部・縦隔・腹部のリンパ節転移診断に用いられる.
EUSは超音波伝導物質を食道内腔に貯留させ検査を行う.胃・十二指腸・大腸でよく用いられる脱気水充満法,ソフトバルーン法は,食道内腔に水を充満すると誤嚥のリスクが高いため,特に頸部から胸部上部食道の観察時には,食道内腔に内視鏡ゼリーを注入し観察するゼリー充填法1)が有用である.20MHzの細径プローブを用いて観察すると,食道壁の層構造は通常9層に分離される2).
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