消化管組織病理入門講座・6
【食道】Barrett食道と腺癌
新井 冨生
1
1東京都健康長寿医療センター病理診断科
pp.1660-1665
発行日 2013年10月25日
Published Date 2013/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113977
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はじめに
食道胃逆流症(gastroesophageal reflux disease ; GERD*1)は,生活習慣の欧米化,生活環境の向上などによるHelicobacter pylori感染率の低下,肥満,高齢人口の増加などにより,日常診療で経験する機会が増えてきた1~3).このGERDの中には,内視鏡的にびらんなどの粘膜障害が認められる逆流性食道炎*1,内視鏡像で食道炎が認められないのに症状がある非びらん性胃食道逆流症(non-erosive gastroesophageal reflux disease ; NERD*1),食道の円柱上皮化生を来したBarrett食道*2の3つのタイプが含まれる.本稿では,その3つの病態のうち,Barrett食道とそれを背景に発生する腺癌の病理組織について解説する.
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