Japanese
English
今月の主題 狭窄を来す小腸疾患の診断
主題症例
非特異性多発性小腸潰瘍症(chronic enteropathy associated with SLCO2A1;CEAS)
CEAS(chronic enteropathy associated with SLCO2A1)
細江 直樹
1
,
久松 理一
2
1慶應義塾大学病院内視鏡センター
2杏林大学大学院医学研究科第三内科学
キーワード:
SLCO2A1遺伝子
,
バルーン小腸内視鏡
,
潰瘍
,
狭窄
,
偽憩室形成
Keyword:
SLCO2A1遺伝子
,
バルーン小腸内視鏡
,
潰瘍
,
狭窄
,
偽憩室形成
pp.1724-1726
発行日 2016年12月25日
Published Date 2016/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403200797
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症例
患者は40歳代,女性.10歳代より貧血,低蛋白血症を認め,十二指腸潰瘍で幽門側胃切除歴あり.
家族歴:弟は皮膚骨膜肥厚症,小腸潰瘍症(詳細不明),妹は非特異性多発性小腸潰瘍症(chronic enteropathy associated with SLCO2A1;CEAS)(SLCO2A1遺伝子変異陽性).
血液検査値:ヘモグロビン値8.6g/dl,アルブミン値1.9g/dl.
精査のため施行した小腸X線造影検査(❶)で下部回腸に多発する狭窄,斜走する潰瘍瘢痕を認めた.バルーン小腸内視鏡検査(❷〜❹)では,下部回腸に偽憩室様所見,斜走する浅い多発潰瘍を認めた.臨床経過,家族歴,諸検査所見および,SLCO2A1遺伝子変異陽性であることから(❺,❻),CEASと診断し経過観察を行っている.
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