Japanese
English
今月の主題 狭窄を来す小腸疾患の診断
主題症例
放射線性小腸炎
Radiation Enterocolitis
大森 崇史
1
,
大宮 直木
1
1藤田保健衛生大学消化管内科
キーワード:
放射線性小腸炎
,
小腸狭窄
,
小腸出血
Keyword:
放射線性小腸炎
,
小腸狭窄
,
小腸出血
pp.1720-1721
発行日 2016年12月25日
Published Date 2016/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403200795
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症例
患者は60歳代,女性.子宮頸癌IIIb期に対して化学療法および放射線療法(weekly CDDP 40mg/m2×8回+全骨盤照射50.4Gyおよび腟内照射18Gy)を行った.CRにて約1年が経過したところ,貧血(Hb 8.8g/dl),低蛋白血症(Alb 2.4g/dl),便潜血反応が陽性となり,消化管の精査を行った.小腸X線造影検査では,照射範囲に一致して,骨盤内回腸に粘膜収束像と内腔の狭小化を認めた(❶).回腸内視鏡検査では,全周性に白濁した浮腫状粘膜と内腔の狭小化,毛細血管拡張所見を認めた(❷,❸).加えて,造影CT検査では,照射範囲に一致して,骨盤内回腸のびまん性壁肥厚と腹水を認めた(❹).同部位の生検にて虚血性変化を認めること(❺),また前述の検査結果から放射線性小腸炎と診断した.同部位から出血を認め,APC(argon plasma coagulation)による焼灼を反復して行ったがコントロールできず,病変部の口側回腸で人工肛門造設術を施行した.
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