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編集後記
丸山 雅一
pp.744
発行日 1987年6月25日
Published Date 1987/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403112921
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本号の“現状”には,こんなものか,という一応の満足感がないでもないが,病理を執筆された先生方に対しては欲求不満が高じている.“絵”が売り物の本誌に“絵”を出してくれたのは3人(喜納,廣田,加藤),dysplasiaの“絵”は1人(喜納).これでは臨床側が混乱するのは必至とみてよいだろう.“私はこう考える”という趣旨なのだから,dysplasiaにおけるmass云々についても,執筆者各々の基準とその“絵”を示して欲しかった.
また,腺腫と良・悪性境界病変とは別のスケールで論ずべきものであれば(座談会参照)異型度空間を連続体とみなすのか否かをまず明確にすべきであろう.腺腫そのものについても“眼”が違えば診断も異なるのは避けられない“現状”なのだろうか.竹腰(癌研),吉田(がんセンター)両氏の数字の差にこのことが反映されているような気がする.
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