胃と腸ノート
膵管造影の評価(1)
中沢 三郎
1
1名古屋大学医学部第2内科
pp.218
発行日 1975年2月25日
Published Date 1975/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403112162
- 有料閲覧
- 文献概要
膵疾患診断については従来も機能的並びに形態的検査に各種のすぐれた方法があるが,何と言っても膵内胆管,膵シンチグラムその他を除けば膵内に入りこんだ“立ち入り検査”はなく膵の小病変の診断としては隔靴搔痒の感無きにしもあらずであった.かかる意味でEP(C)Gの出現は膵疾患診断に悩む医師,膵臓病を疑われながらも確診の得られない患者あるいは上腹部愁訴に悩みながらも,なお,診断が不明,不定のまま徒らに対症療法を余儀なくされている場合の全ての人々にとって正に“救世主”となったといっても過言ではない.EP(C)Gは膵内に分布する膵管の形態をレ線的に描写するもので膵の直接的診断法である.従って膵に発生した形態異常を認識するに最も適した方法で,これまで不明であった膵の病態が明らかとなり,診断および治療面のみならず研究面においても画期的な進歩をもたらした.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.