今月の主題 胃切除後の問題
綜説
吻合部の消長(B・Ⅰ法胃切除後)
松林 冨士男
1
,
戸塚 哲男
1
,
海老沢 健二
1
,
佐藤 薫隆
1
,
吉井 勇
1
,
小金沢 滋
1
,
曽 傑俊
1
,
木村 謙一
2
1佼成病院 外科
2木村病院
pp.915-923
発行日 1967年7月25日
Published Date 1967/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110578
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Ⅰ.はじめに
B・Ⅰ法胃切除後の吻合部狭窄の原因は色々あげられている.機能的なものとしては,術後Atonle,胃・十二指腸共同運動障碍,吻合部痙攣等々1~3),枚挙にいとまの無い程である.一方器質的な原因も数多くあげられているが,その代表的なものとしては,吻合部の浮腫である4)~6).これは術後間もなく発生するので,くわしい検査は困難である.そのため多くの学説も臆測の域に止るものが多い.我々は6)8)第28回臨床外科学会に於て,その原因の一つとして,残胃のべッツ縫い込みの部分に出来る腫瘤が,残胃頸部の細くなった部分に立ちふさがるか,圧迫することにより狭窄を起す原因となり,一方吻合口は,今迄考えられていたほど,浮腫による強い狭窄を起さぬことを提唱した.今回は主として,この腫瘤について述べる.
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