今月の主題 胃切除後の問題
綜説
胃断端癌
常岡 健二
1
,
瀬底 正彦
1
,
藤原 郁夫
1
,
高橋 和枝
2
1日本医科大学第三内科
2東京逓信病院消化器科
pp.925-928
発行日 1967年7月25日
Published Date 1967/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110579
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Ⅰ.まえがき
最近の外科療法の発達から,胃切除術が安全かつ容易に行なわれるようになったが,一方では胃切除後にくる種々な障害について広く注目するにいたり,そのうちでも機能障害としてのダンピング症候群,器質障害としての術後空腸潰瘍,胃断端癌などが代表的なものといえよう.ここでは,従来臨床家の間であまり問題にされなかったが,胃切除術の普及にともない,おそらくは今後増加するであろうと考えられる胃断端癌について少しくまとめてみたいと思う,術語としては胃腸吻合部癌,残胃癌などあるがすべて胃断端癌(Magenstumpfkarzinom)と同一概念と考えてよい.
胃断端癌についての本邦報告例は極めて少ないが,実際にそうであるのかどうかの疑問もあるので,この機会に先輩諸兄の経験例があればお教え願いたい.
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