診断のポイント・8
日本住血吸虫症に吐血をきたし,胃潰瘍よりの出血を疑つて手術した症例
松林 冨士男
1,2
,
小金井 滋
1
,
吉井 勇
1
,
海老沢 健二
1
,
佐藤 薫隆
1
,
戸塚 哲男
1
,
岩淵 勉
2,3
Fujio MATSUBAYASHI
1,2
,
Shigeru KOGANESAWA
1
,
Tsutomu IWABUCHI
2,3
1佼成病院外科
2日本医大
3佼成病院内科
pp.1387-1391
発行日 1965年10月20日
Published Date 1965/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203780
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司会(松林):今日は63歳,主婦についてのカンファレンスを行ないます.例によつて受持医から病歴,検査事項について説明していただきます.
受持医(佐藤):主訴は吐血と下血です.既往歴は山梨県韮崎市近郊に生まれ,1昨年まで農業に従事していました.山梨県の地方病である日本住血吸虫症にかかつたことがある他に,特記すべきことはありません.この地方病にかかつたといいますのは,約20年前に自覚症状はありませんでしたが,近所の人と一緒に検査し,糞便中に虫卵ありと言われました.さらに10歳代の頃,下半身に寄生虫性皮膚炎と思われる疾患を経験しています.
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