診断のポイント・6
新生児のイレウス
松林 冨士男
1,2
,
小金沢 滋
2
,
海老沢 健二
2
,
吉井 勇
2
,
戸塚 哲男
2
,
佐藤 薫隆
2
Fujio MATSUBAYASHI
1,2
,
Shigeru KOGANEZAWA
2
,
Kenji EBISAWA
2
1日本医科大学
2佼成病院外科
pp.889-892
発行日 1965年7月20日
Published Date 1965/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203669
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司会(松林)本日は生後2日の男児の症例のConfe-renceを行ないます.まず最初に受持医から病歴などの説明をお願いします.
受持医(小金沢)患児は生下時体重3,415g,胎齢309日の成熟児で,当院で出生し,妊娠,分娩共に特記すべき異常なく,生後28時間で腹部膨満著明となり,グリセリン5ccの浣腸により初めて大量の胎便の排出がありました.胎便々性は正常で,この胎便排出により,腹部膨満は一時軽快しましたが,3時間後再び膨満し初め,さらに5時間後より嘔吐するようになりました.そしてさらに4時後すなわち生後43時間では,持続的に吐出する嘔吐内容によつて,口角部に糜爛を生じてきました.そこでX線検査が行なわれましたが.はつきりした診断が得られず,また腹部膨満はますます増大する傾向が見えたため,小児科へ紹介されました.
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