今月の主題 十二指腸潰瘍〔2〕
綜説
十二指腸潰瘍の内視鏡診断への努力
田中 弘道
1
,
石田 敦夫
1
,
佐藤 方則
1
,
若月 茂徳
1
,
福本 四郎
1
,
常松 久晃
1
1鳥取大学医学部石原内科
pp.217-224
発行日 1967年2月25日
Published Date 1967/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403110470
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
“Deformed duodenal bulb wlthout ulcer”という球部のX線診断に接するたびに,ともすればなげ出そうとする球部内視鏡検査への試みを細々と続けて数年が経過した.
昭和35年に試作十二指腸カメラを用いて着手した球部撮影の出発点から現在まで数種類の胃カメラ及びファイバースコープを用いて検討を重ねてきた.すなわち,カボカメラ,集検用カメラ,V型短焦点カメラ,パノラマ式ファイバースコープ,Hirschowitz,町田A型などであるが,術中観察あるいは経腹胃鏡法を行なってもHlrschowitzの記載にみられるような成果をあげ得ていない現況である.
しかし器械的制約の許に失敗を繰り返してきた私たちの経験から,今後の器械的ならびに方法論的見通しは確立されたと自負している.したがって,ここでは私たちの行なった基礎的研究の成績を述べると同時に主として今後の見通しについて論ずることにする.
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.